俺様上司は溺愛体質!?
姿見の前で、後ろを向き肩越しに振り返ると、自分でもドキッとするような露出で、思わず
「うわぁ……」
と、声を上げてしまった。
「気合入りすぎ? いやでも夜のフォーマルだし……レストランって言ってたし……」
明らかに、きれいに見られたいという真屋時臣に対する好意がだだ漏れだ。
「……いや、好意がだだ漏れだからって別に悪いことじゃないよね。真屋さんにそんな迷惑かけて……るかもしれないけど、たとえ最初で最後のご褒美だとしても、隣にいる女が明らかに手を抜いてたら、真屋さんが恥ずかしいもんね?」
(これは真屋さんのため!)
そうやって一人でドキドキしていると、ベッドの上に置いていたスマホがショートメールでメッセージを受信したことを知らせる。
『十分後に着く。着いたらまた連絡する。』
(あ、これ、何気に初メールだ。とりあえずスクショしとこう。)