俺様上司は溺愛体質!?
「そうかい。あんたの片思いかい。でもね、あたしも若い頃はブイブイ言わせたもんだけどねぇ。今日のあんたはなかなかいいじゃないか」
「そうですか? 変じゃないです?」
「変なわけないだろ。むしゃぶりつきたくなるくらいいい女だよっ!」
「むしゃ……」
真屋時臣にそうされることを一瞬脳内で変換して赤面してしまう。
(変態だわ、私……。)
そうやって管理人の品定めを受けていると、通りの向こうから一台の黒い車が左折して近づいてくるのが見えた。
「お迎えかい?」
「たぶんそうだと思います」
時計を確認すれば、言われた時間ぴったりである。
「あれは……レクサスLS460じゃないか!」
驚愕する管理人だが、ちとせは遠目から一発で車種をつけとめる管理人のほうに素直に驚いてしまった。