俺様上司は溺愛体質!?

「今の驚くポイントなんですか?」
「何言ってんだい。あんた、あの男恋人じゃないんだろ?」
「はい、違います」
「競争率高いだろうけど、頑張ってゲットしな!」
「ゲットって、そんな……」

 頑張ってどうこうなるならそれは頑張りたいが、真屋時臣が自分に『ゲット』できるような男かといえば甚だ疑問だ。
 むしろ自分の方が簡単に『ゲット』されている。

「萩原」

 黒いレクサスの運転席から降りてきた真屋時臣は、タイトなシルエットのダークブルーのスーツ姿だ。
 普段真屋時臣が着ているスーツより、ほんの少しだが布に光沢がある。彼も夜仕様なのだろう。

「外で待っていなくても良かったんだが。春とはいえ夜は冷える」
「すみません……」
「何言ってんだい、あんたに一分でも会いたくて待ってたんだろ〜可愛らしい乙女心だよっ!」
「ちょっ、管理人さんっ!」


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