俺様上司は溺愛体質!?
最初から好意はバレバレではあるが、人に言われるのとはまた別だ。
だが当の真屋時臣は少し驚いたように目を見開き、それからアタフタとしているちとせを見て、眼を細める。
「それは……すまなかったな」
「そんな、謝っていただくことでは……」
「いいんだよ〜それが若さってやつだからね!」
ナチュラルに会話に割り込んでくる管理人。
そして照れるちとせと、彼女を見つめる真屋時臣という不思議な三つ巴である。
真屋時臣はクスリと笑って車を振り返った。
「いつまでも停めておくわけにはいかないだろ。行くぞ」
「はいっ。管理人さん、失礼します」
会釈して真屋時臣のエスコートで助手席へと乗り込むうちとせに、
「楽しんでおいで〜」
と、手を振る管理人だが、レクサスが見えなくなってから渋い表情を作った。
「あれはなかなか複雑そうな男だね、萩原さん……。あんた、最後まであの男に惚れ抜くことができるかい?」