俺様上司は溺愛体質!?
突っ立っているちとせの手が取られ、真屋時臣の腕にかけられた。
突然のお姫様扱いに驚くちとせだが、それだけではなかった。
二人の男性が左右からドアを開く。
見渡す一階のフロアはテーブル席が十ほどあり、着飾った男女で満席である。頭上にはシャンデリアがキラキラと美しい。
時と場合によっては演奏されるのだろう、グランドピアノまである。夢の世界のようだ。
「真屋さま、いらっしゃいませ。シェフが張り切っておりますよ」
「黒田さん、ご無沙汰しています。バスチアンも忙しいでしょうから、挨拶など気になさらずとお伝えください。料理、楽しみにしています」
(バスチアン!? ここ、三つ星レストランのバスチアンなの?)