俺様上司は溺愛体質!?
さりげなさを装ったが、真屋時臣には普通の会話として聞こえただろうか。
(言ってしまった……! 今、彼女はいないんですよねみたいに断定する言い方してしまった!)
ドキドキするちとせであるが、真屋時臣は足を組み、膝の上で指をからませ考え込む。
「いや……フルコースを食べるとどうしても胃が出るだろう。脱いだ時にそれを見られるのが耐えられなかったようだ」
(……そう来ますか!)
今更ながら彼女の有無を聞きたかったのだが、予想外の返答にとっさにテーブルの下で自分のお腹を手のひらで撫でてしまった。
(あっ……ほんとだぽっこり出てる……。悲しすぎる……。絶対脱げないし見せたくない……。)
そんな機会がある云々以前に、思わず真顔になるちとせである。