俺様上司は溺愛体質!?

「お前……なんだその顔……ククッ……」

 ちとせの顔がよっぽど面白かったのか、多少なりともワインが入っているせいか(ボトルの九割は真屋時臣がすいすいと飲んでしまった。)、彼にしては珍しく肩を揺らし笑い始めた。

「真屋さん、だから、何度も言いますけど、人の顔見て考えてること読まないでもらえます?」
「そう言われてもな……つい、面白くて見てしまうんだよな」
「ついって……ヒドイ」

 言葉の端々が、少しくだけた物言いになっていることに彼は気づいているのだろうか。

(なんか嬉しい……真屋さん、笑ってる。いや、笑われてるとも言うけど……嬉しいな。)

 一ヶ月前よりも、十日前よりも、昨日よりも、どんどん真屋時臣を好きになっているのが自分でもわかる。
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