俺様上司は溺愛体質!?

(こんなに好きになって大丈夫なのかな……なんだか幸せな片思いすぎてちょっと怖いかも。)




「そろそろ出るか」
「はい」

 名残惜しいけれど、気がつけばもう夜の十時を回っていた。

(時間経つの早すぎるよ……。楽しい時間というのは本当にあっという間に過ぎ去ってしまうんだなぁ……。)

 ちとせは目の前の景色を名残惜しく思いながら、ショールを羽織り立ち上がる。だが、背中のあたりで何かが引っかかったような気がして、振り返った。
 お気に入りの白いショールがくしゃくしゃになっている。

「あれ?」
「どうした?」
「あの、なんだかショールが引っかかったみたいで」
「見せてみろ」
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