俺様上司は溺愛体質!?

「このドレスは誰のためだ」
「そんなこと急にっ……」

 いきなりの問いかけにちとせはパニックだが、真屋時臣はいたって普通である。

「このドレスで誰か他の男と会ったのか」
「なっ、ないですよ、初めてです!」
「俺が?」
「そうです……!」
「ふぅん」

(ふぅんって……。なんでそんな余裕……。)

 なんとか振り返ろうとすると、それを許さないと言わんばかりに腕に力が込められる。

 結局抱きしめられたまま、話を聞くしかなかった。

「じゃあ俺が今何を考えているか、わかるか」
「わかり、ませんっ……!」


 全然わからない。
 本気で涙が出そうになる。




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