俺様上司は溺愛体質!?
三十年以上前に小学生ということは、少なからず四十歳を超えているということだろうか。
しっとりと美しい声で、物腰は優雅。
前髪は眉のあたりでまっすぐに切り揃えられ、単純にアップになっていると思った髪は、複雑に編み込まれていた。
(近くで見たらすごい美人……。メイクにも全然隙がない。背も高いし、首もほっそりして長くて……エキゾチックだ……。)
ちとせがバッグに忍ばせているカタログモデルのように、普遍的な美しさが彼女には備わっているようだった。
「あの」
「はい、なんでしょう」
彼女は穏やかに首をかしげる。
(なんだか緊張してきたけど……せっかくここまで来たんだし、聞いてみよう!)
勇気を振り絞り問いかけた。
「以前、ここは靴下専門店だったって聞いたんですが、本当ですか?」