俺様上司は溺愛体質!?
中央のショーケースには淡いカラーのグラデーションで靴下が並べられていて、まるでマカロンの詰め合わせのようだ。
「わぁ……」
思わずため息が漏れる。
(昔、こんなお店があったんだなぁ……。いや、今だって普通に探せば輸入下着のお店はあるけど、ネグリジェしかりナイトガウンしかり、全然意識が違うよね……。)
じっくりと眺めていると、目の前の小さなテーブルにハーブティーが置かれた。ミントの香りがふんわりと香る。
「よろしければどうぞ」
「すみません、お茶まで頂いてしまって……」
「気になさらないでください。今はセレクトショップですけれど、当時の〈VEGA〉をそうやって目をキラキラして見てもらえるのはやはり嬉しいものですから」
「ありがとうございます、いただきます」
お礼を言ってハーブティーを口に運ぶ。
一枚一枚、じっくりと眺めていると、ちらほらと当時のお客様らしい写真が出てくる。
その中に見覚えのある顔があった。