俺様上司は溺愛体質!?
(うそ……。)
なんとそこに、真屋時臣が立っていたのだ。
しかもスーツではない、私服だ。
ハリのあるベージュのパンツに白のカットソー。黒のテーラードジャケット姿は身軽だが、どこか居心地が悪そうにも見える。
(真屋さんがどうして……もしかしてやっぱりここに織り機があるの!? だから来たの!?)
うろたえるちとせ。
出るに出られずその場をウロウロしていると、
「時臣さん、あなたは本当に勝手な人ね」
くすり笑いながら真屋に近づいていく瀧川の背中が見えた。
(え……?)