俺様上司は溺愛体質!?

(うそ……。)

 なんとそこに、真屋時臣が立っていたのだ。
 しかもスーツではない、私服だ。

 ハリのあるベージュのパンツに白のカットソー。黒のテーラードジャケット姿は身軽だが、どこか居心地が悪そうにも見える。


(真屋さんがどうして……もしかしてやっぱりここに織り機があるの!? だから来たの!?)

 うろたえるちとせ。

 出るに出られずその場をウロウロしていると、
「時臣さん、あなたは本当に勝手な人ね」
 くすり笑いながら真屋に近づいていく瀧川の背中が見えた。

(え……?)



< 171 / 275 >

この作品をシェア

pagetop