俺様上司は溺愛体質!?

 なんと真屋時臣の腕に、瀧川がすがりつくように身を寄せたのだ。
 けれど真屋時臣は手を伸ばし、瀧川の肩をつかむと押し返した。

「ビジネスの話をしてもらえませんか」
「……平行線ね」

 瀧川はくすりと笑うと、そのままドアを内側から開ける。

「またいらして」
「……わかりました」

 真屋時臣は素直に〈VEGA〉を出て行ったようだ。

(真屋さん……。瀧川さんとどんな関係なの……。)

 上手に息が出来ない。
 胸の奥がキリキリと痛い。

 それでもいつまでも引っ込んでいるわけにはいかない。
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