俺様上司は溺愛体質!?
「何かって何デス?」
「んー、だからさー。ボク、先輩たちに聞いたんだ……。十年前、真屋さんが上司の奥さん取っちゃって……何年かして、その上司が自殺したっていうの……噂だけどね」
(……なにそれ、どういうこと……!?)
潤の言葉に布団の中で衝撃を受ける。
「でも真屋さんすごく仕事できるし。ビジネスとプライベートは別問題だからって、上層部は特にお咎めなしの方針で……。結局居づらくなった上司のほうが仕事辞めざるを得なくなって、その後自殺って……」
まるで怪談でも口にするかのように、声をひそめる潤。
ちとせもまた、息を殺して二人の会話に耳をすませた。
けれどショコラはそれをあっけらかんと反論した。
「一部分あってますケド、ほとんど間違ってマスヨ」
「えっ、そうなの?」
潤がキョトンとした声を上げる。