俺様上司は溺愛体質!?

「え?」
「……いや、すまん。わけがわからないことを言ったな。忘れてくれ」

 真屋時臣は困ったように苦笑いし、椅子から立ち上がると、ちとせの頭をポンポンと叩く。

「いい子で留守番してろよ。戻ってきたらいよいよ忙しくなるぞ」
「……はい」

 言いたいことはたくさんある。
 けれど何も言えなかった。



 その日、早々に仕事を終えたちとせは一人で俄へと向かった。



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