俺様上司は溺愛体質!?
「あんたが自分から占ってなんていうの、初めてね」
「そうだったっけ」
「そうよ」
そして信治郎は体を斜めにして、頬杖をつきちとせの顔を凝視する。
「何があったのか話してごらんなさいよ。場合によっては視てあげるわ」
「全部?」
「ええ、全部よ。夜のオネエは口が固いから安心なさいな」
彼の少しタレ目の瞳は優しさに溢れている。
心配してくれているのだと、胸がいっぱいになった。
「信ちゃんのことは信用してるよ。だけど長くなりそうだなって思って……」
するとちとせの前にシャンパングラスが置かれる。
「心配するな、夜は長い。ほら、苺のピューレとシャンパンのカクテルだ」
龍は穏やかに頷いた。