俺様上司は溺愛体質!?
「なるほどね」
できるだけ順を追って話したつもりだが、ちとせが話し終えると、信治郎はパチンと扇子を鳴らして黙りこんでしまった。
いいのか悪いのか、全くわからない。
しばらく待っていると、
「うん……いいわよ、占ってあげる」
信治郎が何かを吹っ切ったようにうなずいた。
「本当?」
ホッとして信治郎に向かって手のひらを差し出すちとせだが、信治郎はその手をそっと押し返した。
「それはいらないわ。本当は手のひらなんか見なくてもわかるもの」
「えっ、じゃあなんで今まで見てたの?」
「なんとなく雰囲気作りのためにやってただけ」
「それ、他の誰にも言わないほうがいいよ……」