俺様上司は溺愛体質!?
「すみません!」
ブラインドの隙間から瀧川の顔がのぞく。
一瞬怪訝そうな表情をしたが、ちとせの顔を見て思い出したようだ。
スルスルとブラインドが上げられた。
「閉店後にごめんなさい、どうしてもあなたと話がしたくて……」
ちとせは深々と頭を下げた後、会社で用意してもらっていた名刺を取り出した。
心臓がはち切れそうだ。
怖い。
だけどこれは他の誰でもない自分で選んだことだ。
瀧川は名刺を受け取り、切れ長の瞳をかすかに見開く。
「あなた……」
「私、プレズィールの社員です。そして真屋さんの部下でもあります」
「まぁ……」