俺様上司は溺愛体質!?

「すみません!」


 ブラインドの隙間から瀧川の顔がのぞく。
 一瞬怪訝そうな表情をしたが、ちとせの顔を見て思い出したようだ。
 スルスルとブラインドが上げられた。




「閉店後にごめんなさい、どうしてもあなたと話がしたくて……」

 ちとせは深々と頭を下げた後、会社で用意してもらっていた名刺を取り出した。

 心臓がはち切れそうだ。
 怖い。
 だけどこれは他の誰でもない自分で選んだことだ。

 瀧川は名刺を受け取り、切れ長の瞳をかすかに見開く。

「あなた……」
「私、プレズィールの社員です。そして真屋さんの部下でもあります」
「まぁ……」
< 201 / 275 >

この作品をシェア

pagetop