俺様上司は溺愛体質!?

「ううん、全然大丈夫ですよ。ぼーっとしてたから」

 本当に待つことが苦ではないので、素直にそう答える。

「いやもう、誘っといてほんと遅刻とか申し訳ない。人身で電車遅れたみたいでさ……。一応メッセ送ったんだけど見た?」
「ごめんなさい。気づかなかったみたい」

 言われてバッグからスマホを取り出してみれば、メールや着信が残っていた。
 そして留守番電話メッセージが表示されている。


「留守電も入れてくれました?」
「いや、電車の中だったから入れてないよ。メールだけ」
「ちょっと聞いていいですか?」
「もちろん、どうぞ」
「すみません……あれ」


 着信と留守番電話は瀧川だった。
 時間は今から三十分ほど前である。


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