俺様上司は溺愛体質!?

　瀧川の意味深な留守電に真屋時臣からの着信である。
　やはり何かあったとしか思えない。

　慌てて電話を受けて、耳に押しあてた。


「真屋さん、どうしました！？」

『お前、今□△駅のどこにいる！』

「ええっ、どこって、改札出たところですが！」

　電話の向こうの真屋時臣は、ひどく焦っているようにも怒っているようにも聞こえて、やっぱり大変なことが起こったのだと、ちとせは震えあがった。

「真屋さん、なにがあったんですか……って、あっ、もう切れてる！」

「大丈夫？」
「わかりません、でも何か大変なことが起こったみたいで……どうしよう」

　ちとせはスマホを握りしめたまま、心配そうに自分を見つめる伊東を見上げた。