俺様上司は溺愛体質!?

(デート……今から、この人とデート……)

 理性と本能の間で、ちとせは揺れた。
 けれど答えは一瞬で出てしまった。

「あの、伊東さん、ゴメンなさい。私、やっぱり行けません、デート、出来ません、ごめんなさい!」

 一度受けておいて、こんな形で断るなんて、失礼極まりないと頭ではわかっているのだが、もうデートどころの話ではない。

「本当にごめんなさい、でも真屋さんに何かあったらって考えたら、私、平気でいられないんです。一刻も早くそばに行かなくちゃって思うし、力になりたいんです!」

 深々と頭をさげる。

「……萩原さん」
「本当にごめんなさい……!」

 情けない。
 もっと早く、こういうべきだったのだ。
 
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