俺様上司は溺愛体質!?
というか最初からあまり覚えていない。
気がついたら、ベッドの上で縛られていたというのが正直な感想だ。
だが真屋時臣は不服そうに眉根を寄せる。
「酔った自分が何言ったのか、覚えてないのか。バーでナンパしてきた男に、昔好きだった男がいて、忘れられないとメソメソ泣いていた……結局ひどく面倒くさがられてそのまま捨てて行かれたんだ」
(昔の男……それ、真屋さんのことですけど。)
「今思えば羨ましかったんだろうな。だから、ちょっとばかり興味が湧いて……拾って……いや、こんな話はどうでもいいだろう。いくぞ」
「行くってどこに?」
「ちょうど駅だ。ホテルが入ってる」
頭が真っ白になる。