俺様上司は溺愛体質!?
【番外編】ワケあり上司 真屋時臣の溺愛
〈キス〉
その日。真屋時臣は未だかつてないくらい焦っていた。
久しぶりに瀧川から連絡が来たかと思えば、いきなりなぜ彼女が織り機を渡す気になったのかを聞かされた。
電話を切り、呆然としているところに、今度は潤とショコラが徒党を組んでマンションにやってきた。
「へいへい、ボス。このままだとちーちゃん、営業部のイケメン男子にかっさらわれちゃいますよ?」
「デートの場所は水族館デス。今頃最寄駅で待ち合わせてると思いマス。ちなみにちとせさんは昼間のデートだからって安心してますケド、じつはあそこ今『恋人たちのラブナイト』という企画をやっていて、館内の明かりが消されてムーディーになってマス」
「怖いわー営業部ホープぬかりないわー」
「これ手繋いじゃうワー」
玄関先で言いたいことを言いたいように言って、ニヤニヤしながら帰って行った。