俺様上司は溺愛体質!?

 社食でのランチを終え、同じ階のパウダールームの歯磨きの列に並ぶ。
 ここでも話題を独占していたのは真屋時臣だった。



「そういえばさ、秘書課のお姫様が真屋さん狙ってるって」
「お姫様って例の社長の娘でしょ? ずるいよ〜そんなの強力なアドバンテージだわ」
「だけどね、秘書課の同期曰く、社長は真屋さんじゃなくってどっかのボンボンと結婚させたいんだって」
「あー、それもわかる。異種業者でも今後提携考えてるところとかね。そっちで繋がりたいってのもあるでしょうね」
「それに常務サイドからしたら、超優秀な甥っ子ならどこでも婿入りできるでしょ? うちにこだわる必要はないわよねぇ」
「結局、常務と社長って派閥が違うもんねぇ……」


 どこまでが本当のことなのかはわからないが、真屋時臣はとにかく話題の中心になることは避けられないようだ。
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