俺様上司は溺愛体質!?

 同じ目線になって、目が合うと、二人の間に引力のようなものが生まれるのが分かる。
 今すぐキスをしないわけにはいかないと、そんな気にさせられる。

『私のこと、好きなの?』

(わからせてやると言ったが、なにをどう言えば伝わるんだろう……。)

 他人はどうやっても他人で、全てをわかりあうことなどきっと永遠にできない。
 けれど、それがわかっていても、そばにいたいと思う。
 思いをひとかけらでも伝えたい……。


 無性に切なくなった真屋は、ちとせのウエストをつかみ、引き寄せた。


「ちとせ」
「ええっ……?」

 名前を呼ぶと、半分悲鳴のようにちとせが震えた。


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