俺様上司は溺愛体質!?

 伝われと乞い願う気持ちがただ真屋を突き動かすのだ。

「ちとせ……」
「……はい」

 返事はするが、それだけ。

 あまりにも経験値が違いすぎるせいか、向かい合って座っていたはずのちとせの体は、すでにぐにゃりとしていて、真屋の腕の支えがなければ、そのまま蕩けて無くなりそうだ。

「横になるか?」

 真屋はちとせの髪を後ろに流しながら、ベッドに寝かせ、備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り、その横に腰を下ろす。

「水、飲ませてやる」

 一口飲んで、唇の中に流し込む。

「ん……」

 難しいかと思ったが、ちとせは素直にその水を飲む。
 唇の端から少し漏れた水は、真屋が指先で拭ってやった。


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