俺様上司は溺愛体質!?
「まだ飲むか」
「いえ、大丈夫です……」
指の腹でちとせの頬を撫で上げ、耳の後ろを撫で、あごの下を撫でる。まるで子猫でもあやしているかのようだ。
真屋としてはちとせに触れられるだけで楽しくて仕方ないのだが、ちとせは触れられるだけでどうにかなってしまいそうだった。
「あの……心臓が壊れそう、なので……」
「なので?」
「この辺で……」
見れば確かに、息が上がったちとせの胸は上下して辛そうである。
真屋としてもちとせを苦しめたいわけではない。
「わかった。少し休もう」
真屋はちとせの横に横たわると、彼女の体を引き寄せた。
「少し……?」
ちとせの表情がこわばる。
「真屋さん、えっと……」
「ん?」
首筋に鼻先を埋め髪をすく真屋に、ちとせは恐る恐るといった風に問いかけてくる。