俺様上司は溺愛体質!?

 嬉しくてにっこりと笑うと、ちとせがまた涙目になる。

「なんで……ここで真屋さん嬉しそうに笑うの……意地悪……」

 自分が愛おしいと思うと、なぜかちとせにはそれが意地悪と伝わるらしい。

(おかしいな。こんなに可愛いと思っているのに。)

「まぁ……そういう男なんだ。あきらめろ」
「うう……」

 それでもちとせが本気で嫌がるそぶりを見せたら、真屋は止める気でいる。

(一応俺も大人としての分別がないわけでもないからな……。ただ、その理性もこの調子じゃどこまで持つか疑問だが……。)

 髪に触れたら口づけたくなるし、口づけたら抱きしめたくなる。
 抱きしめればもっと深く、隙間という隙間を埋めてしまいたくなる……。


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