俺様上司は溺愛体質!?

「は、はい……?」

 いきなり真顔になった真屋を見て、ちとせはどうしたのかと首をかしげる。


「『初めてを失わなくて』っていうのは、どういう意味だ」
「どういうもなにも……言葉の通りです、けど……」
「お前、処女なのか」


 真屋の問いに動揺したのか、ちとせの顔がパアッと赤く染まった。

「……すみません」

 ちとせは急に不安になったのか、自分を押し倒したまま固まる真屋の視線から身を隠すようにシーツを引っ張り上げる。

「いや、なぜ謝る……」
「だって……」

 ちとせがしゅんと萎れる。

「……面倒、かなって……」



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