俺様上司は溺愛体質!?

 物心ついてからずっと当たり前のようにモテてきた真屋である。
 据え膳食わぬは男の恥というわけではないが、自分から積極的にならなくても引く手数多で誘われるばかりだったので、当然相手は皆経験済みであった。

(処女……。初めて見た。)

 黙り込む真屋に、ちとせは悲しくなってしまったようだ。

「この年で、変、ですよね……ごめんなさい……なんかもう、バレてると思ってたんですけど……」

 シーツから顔半分だけ出し、ごにょごにょと口ごもる。
 本当に変だと思っているらしい。

「いや、やたら感じやすいし恥ずかしがるなとは思っていたが……変ではないだろ。そうだ。むしろよかった」



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