俺様上司は溺愛体質!?

「でもあの、その、そろそろ……」

 ちとせが上半身を起こし、振り返りながら真屋を見つめる。
 なにを言いたいのかわかっている真屋は、即座に答える。

「却下」
「ええっ……!」
「好きにしていいと言っただろう」
「い、言いましたけど、えっとものには限度があります……よ?」
「残念ながら俺の辞書には載ってない。そもそも最初っから俺を甘やかすお前が悪い……」

 真屋は背後からちとせの腰を持ち上げる。

 そして逃げようともがくちとせの手に、上から自分の指を絡ませてきつくシーツの上で握りしめた。


「えっ、だってっ……ああっ……」


 そのうちちとせは思い知る。
 想像していたよりもずっと、真屋時臣の溺愛は重いということに。



夢の中でも→end



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