俺様上司は溺愛体質!?
 自分で望んだわけでもなくいきなりの異動である。ここに自分の居場所はあるのかと不安になってしまった。

(早く真屋時臣来ないかな……。)

 そんなことを考えていると、ドアがガチャリと開いた。真屋時臣その人である。

「真屋さん!」

 潤がキラキラした笑顔で彼のそばに駆け寄った。

「三人目かと思いましたよ」
「悪いな。実は三人目の説得が難航している」
「えっ!?」

 説得が難航するも何も、企業に属している以上人事異動にノーは言えないはずだが、いったいどういうことなのだろうか。

(いや、むしろ断れた?)

 そんな不埒なことを考えた瞬間、
「お前には断るという選択肢はない」
 あっさりと考えていることを読まれて震え上がった。
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