俺様上司は溺愛体質!?

 龍さんというのは職場の最寄り駅から少し離れた寂れた商店街の中にあるBAR俄(にわか)のマスターである。
 二十六歳のちとせからしたら十ほど離れているのだが、これがワイルド系のいい男なのだ。

「タエちゃん、相変わらず飴と鞭の使い分けの天才だね。私頑張る。ありがとう」

 細布子の誘いに少しだけ心が軽くなった。
 単純なものだが、こうやって無理してはしゃがなければやってられない夜もある。
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