俺様上司は溺愛体質!?
しおらしくうつむくちとせ。
だが真屋時臣はそんなちとせを見て怪訝そうに首をかしげた。
「なぜ落ち込む」
「普通は欠点を指摘されたら落ち込みますよね」
「ウィークポイントもお前の美点だ」
「はぁ……そうなんですか」
なにをどうしたらウィークポイントが美点になるのか。
まったく励まされている気分にならないちとせだったが、当の真屋時臣の口ぶりからして、ただちとせの欠点をあげつらったものではないことはわからないでもない。
「まぁ、そう思えたらいいですよね……」
「だからお前は、」
真屋時臣が何かを言いかけたその時、
「お待たせ〜」
小さなダンボールを抱えて潤が戻ってきた。
「おかえり! 何を持ってきたの?」
彼が何かを言いかけたことはわかっていたが、これ以上自分を嫌いになりたくない。
潤の登場にほっとしつつ、デスクの上に置かれたそれの中を覗き込む。