俺様上司は溺愛体質!?







「……い……おい……起きろ」

 低い声が聞こえる。
 聞いているだけで気持ちがいい、響く声だ。

(この声は……。真屋時臣?)

「いつまで寝てる気だ。いい加減起きないとキスするぞ」

(そんなわけないか……。いやでも似てるなぁ……。キス、いいなぁ……考えるだけでドキドキしちゃうよ……。)

「お前聞こえてるだろ」

 そしていきなり鼻をつままれた。

「ぐっ……だからなんでバレるんです……」

 なんとか目を開けると、片膝を立てた真屋時臣の膝に頭を乗せていた。しかも上半身には彼の物らしいスーツの上着をかけられている。
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