俺様上司は溺愛体質!?
「男難ね」
「はい?」
「男難の卦が出てるわ」
「女難じゃなくて?」
「それの逆バージョンよ。男絡みで相当悩むことになるの」
「やだぁ!」

 素っ頓狂な叫び声をあげるちとせ。
 その表情があまりにも必死で、占いを見守っていた細布子と龍はたまらず笑い声をあげた。

「うれしい悲鳴ね?」
「ふふっ……よかったな。モテモテになれるみたいで」
「タエちゃんに龍さんまで! どう考えても良くないじゃん!」

 それからちとせの占い結果をつまみにアルコールが進んだ。細布子には近々素敵な出会いがあるという。

「うえーん、ずるいよぉ〜!」

 カウンターでマジ泣きするちとせだが、
「おほほ。ちとせがまたどんな馬鹿するか楽しみだわぁ」
 上機嫌な信治郎はちとせと細布子の二人分を支払い帰って行った。
 細布子も帰り支度を始めるが、ちとせはカウンターでうつ伏せに倒れたままだ。
< 9 / 275 >

この作品をシェア

pagetop