俺様上司は溺愛体質!?

 と、その瞬間である。
 ちとせの頭のてっぺんに衝撃が走った。

「そっか……そうだ、わかりました!」
「えっ!?」
「ありがとうございます、檜山さん!」
「ありがとうって?」

 目を丸くする檜山だが、ちとせは彼女の手をとりブンブンと振り回し、バッグをつかんで頭を下げる。

「会社に戻ります、新しいスカートとストッキングありがとうこざいました! また遊びに来ますね!」
「ええっ?」

 背中に羽が生えたかのように体が軽い。
 檜山が止める間もなくちとせはカフェを飛び出していた。
 


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