俺様上司は溺愛体質!?

 そして潤が紅茶とマカロンを持って戻ってくるのに合わせて、ちとせは改めて口を開いた。

「『妖精の羽根』を復刻させるなら、ターゲットは十代の若い女の子にしたいんです」
「えっ!?」

 まず潤が驚いたように声をあげた。

 それもそうだろう。高級路線でしか売ったことのない商品なのだ。ターゲットがお金のない十代女子と言われては一体どうする気だと問いただしたくなるのも当然である。

「なぜだ」

 真屋時臣が足を組んで問う。

「十代ってオシャレなことに興味を持ち始める年ですよね。だけど雑誌を見ても、お洋服やメイクの方法はたくさんのってるのに、下着なんて広告以外でほとんど見たことないです。あっても実用っぽいっていうか、保健体育なイメージっていうか、微妙にダサいっていうか、健康的っていうか親の目意識しすぎてるっていうか……。だからそうじゃない売り方をしたいんです」
「そうじゃないとは?」
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