小話置き場
青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。

僕らのブルー - lovely sky -




俺はいつも羨ましかった。


他人をまっすぐに見据える瞳も、堂々とした歩き方も、繕うことを知らない照れたような笑顔も。


何考えて生きてんだろうな。他人に対して怖いって思わないのかな。


『トモは友達多くて凄いよね』


あるとき彼女が言った。


そーかな、と俺は笑いながら答えた。

何気ない一言だった。俺としても、今まで何度も言われてきた言葉だった。


否定はしないよ。俺もそう思う。


友達作るのは下手じゃない。
人と仲良くすんのも嫌いじゃない。


馬鹿みたいに明るい顔して、へらへら笑って、人を笑わせて。



悩みなんかなんにもないような、脳みそひとつも使ってないような奴になる。そしたら皆、警戒心を解いて近寄ってくる。


俺はいつも、警戒してるけど。


人の顔色ばっかり伺って、生きてるけど。空気を読んで、わざと空気の読めないフリをする。馬鹿みたいに頭使って、頭使ってないフリをする。


なにやってんだろうな、ほんと。好きじゃないんだと思う、もともと。人間が。





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