小話置き場
「付き合うって、むずかしいですね……」
「ハハ。マルちゃんはちょっと難しく考えすぎな気もするけどね」
私が項垂れると、松原先輩は面白そうに小さく笑った。
そうなのかな。
私が変なのかなあ。
なんかちょっと切なくなってきて、そしたら無性に先輩に会いたくなった。
「うええ……汐見せんぱぁい……」
「何?」
ヒョー!
いつの間にか国宝級のイケメンが私の顔を覗き込んでいて驚いた。こ、このお方は私の彼氏ではないか!なんてこったー!
「先輩!!こ、こんにちは!!」
「こんにちは。百合、来てたんだね。いなくてごめん。諒の相手までさせてごめん」
「い、いえ!ちょっとお話ししに来ただけなので」
「ヒサ、最近俺に冷たいよね」
「気のせいだろ」
「気のせいとか言うその目が冷たい」
松原先輩がしくしくとわざとらしく泣き真似をする。
汐見先輩はそれを華麗にスルーして、再び私の方を向いた。