美味しくいただきます【短編】


「セナちゃん…トイレ行かない?」


ナリカが袖を引っ張った。


ナリカは大人しくて人に流されやすい。
まあそこがまたいいんだけど。


「何かあったんでしょ?アンネちゃんと…」

ナリカは察してくれていた。


「実は…―」


事情を説明した。


「そっかあ。私もね、アンネちゃんに真似されたことあるよ。まあTシャツなんだけどね。アンネちゃんが着た次の日着て行ったら皆が怖かったよ…」


「アンネは?庇ってくれなかったの?」


「うん…お揃いだねって」


「そっか…」
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