あの音を忘れない
「え、まじで?」
「うん♪まじで♪」
俺の頭は夢が広がる。
兄貴がテレビにでて共演者にあの綺麗な
モデルがでたり、、アイドルと共演で
仲良くなったり、、、!
あわよくば あの大好きなアーティストの
ライブにvipご招待、、、!!!!
俺はそんなことばかり考えてた。
「兄貴、ないす!!!」
「いぇ~い」
ハイタッチを交わす。
そりゃあ朝から騒がしくなるわけだ。
「そこでねかなめ!
今日お兄ちゃんがデビュー初のライブを
するみたいなの!!
お母さんといかない?!」
母は行く気満々だ。
この年になって母親と一緒にお出かけなんて
恥ずかしいものはない。
「はぁあ!むりむりむり!!!
別で行けよ!」
「じゃあみかどの夜御飯抜きね♪」
、、本当にいじくその悪い女だ。
だから親父も女つくって出てったんだろう
とつくづく思う。
まぁでもこういえば母親にはかなわない。
「...ってことで決定~♪
お兄ちゃんがんばってね!!!」
「がんばるよ!
チケットはこれとーこれでー。」
音楽は聞くだけの俺。
高校二年にして初めてのライブだった。
そして俺は出会う。
あいつに。
俺のすべてを狂わした
あいつに。