甘く苦い、毒牙に蝕まれて
プロローグ
出会いは7歳の時。
「真守(まもる)、新しいお隣さんにご挨拶して」
隣に新しい人が引っ越してきて、あいさつしに来た。
僕は母親の後ろに隠れながら「こんにちは……」と小さい声であいさつした。
そして同じように、母親の後ろに隠れて、少し顔を覗かせながら。
「私、まひろ!よろしくねっ!」
元気よく自己紹介したのが、まひろちゃんだった。
これが僕らの出会い。