甘く苦い、毒牙に蝕まれて





「そういうわけじゃなくてね」



なるべく冷静に。

柔らかめの口調で接した。



感情的になっちゃダメだ、とにかく冷静にしないと。





「あいつが来てから、まひろちゃんはずーっとあいつばっかじゃん!!如月ばっか構って……ずっと一緒にいようって約束したのにっ……」



やっぱダメだ。
無理だ。



「もうっ!!しつこいよっ!!」



感情的にならずにはいられない。




「いつまで子供みたいな事言ってんの?いつまでも、昔の事にこだわらないでよ。もうあれは、過去の事なんだから」



今となってはもう、思い出でしかない。


小さい頃に交わした『ずっと一緒にいよう』という約束は。

今はもう……過去の思い出1のつなんだ。




「ごめんね、真守くん……私」


ハッキリしなきゃ。
白黒つけないといけない。


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