甘く苦い、毒牙に蝕まれて
次の日の朝。
「……おはよ」
「おはよう。真守くん」
家を出ると、真守くんがいた。
よかった。
今日は学校、行くんだ。
「……」
「……」
一応、一緒に登校してるけど、会話がない。
ずっと沈黙。
気まずいな……。
「……好きなの?」
「……?」
学校の近くにさしかかった時、真守くんが急に足を止めて、意図のわからない言葉を放った。
「まひろちゃんは、如月の事が好きなの……?」
「っ……」
「あいつが、好き?」
詰め寄ってくる彼に、私は何も言えなかった。