甘く苦い、毒牙に蝕まれて
昨日、あんな言い方しちゃったわけだし。
普通に考えてバレてるよね?
私の、万桜への気持ち。
「わ、私……あの」
でも、なんか……。
こういう話、真守くんにはする気になれないな。
言葉に詰まって困ってると、背中を勢いよく叩かれた。
「おっはよー!まひろ」
「あ、万桜。おはよう」
万桜が現れて、内心かなりホッとした。
「こんなとこで突っ立って、何してるの?2人で……」
万桜は怪訝な顔をしながら、真守くんを見た。
一瞬にして、私達の間に不穏な空気が流れたのがわかった。