甘く苦い、毒牙に蝕まれて
葛藤と潮時
「……はぁ」
トイレの個室で、1人で食べるご飯は非常に味気なかった。
登下校も1人。
昼休みも1人。
完全にぼっち状態。
まひろちゃんと一緒に行動しなくなって、5日が経った。
時折、まひろちゃんのクラスを覗いてみると、彼女はいっつも楽しそうに笑ってた。
辛いけど、これが現実。
「……へーえ、最近はこんなとこで食べてたんだ」
「あっ……」
トイレから出ると、待っていたかのように、泉川が壁にもたれてスマホ片手に立っていた。
「トイレでご飯なんて、よく食べる気になるね」
「……黙れ」