甘く苦い、毒牙に蝕まれて
モヤモヤしたまま放課後になって、そそくさとカバンを持って教室を出て、下駄箱で靴に履き替えて玄関を出た時。
視界に映ったのは、如月と楽しそうに歩くまひろちゃん。
笑顔の彼女を見て胸が痛んだ。
「幸せ、か……」
苦しいけど、これがまひろちゃんの幸せなのかもしれない。
僕が大人しく身を引いて、如月と仲良くしてる方が、きっと幸せなんだ。
悲しいけど、これが現実なんだ。
恐らく僕はもう、まひろちゃんにとっては不要な存在。
お払い箱なんだ……。