甘く苦い、毒牙に蝕まれて



「あのっ、真守くんっ……ど、どうかした?顔色があまり良くないみたいだけど……」


まひろちゃんが心配してくれてる。

でも今は、それどころじゃない。

イライラする気持ちをどうしても我慢できなかった。




「ふざけんな……触るなよ……触るな、まひろちゃんに触るなっ……!」


大声で一方的に怒鳴り、如月に掴みかかった。

多崎は驚きを隠せないといった感じで、まひろちゃんは怯えていた。


でも如月は顔色ひとつ変えず、全く動じてないような感じで、その態度が尚更苛立ちを助長させた。



「何でっ……どうしてまひろちゃんなんだよっ!?あんたなら女なんか選び放題だろ!?まひろちゃんじゃなくてもいいだろっ……」


周りの目も気にせず、苛立ちをぶつけた。



「まひろちゃんは僕のなんだ……なのに何で奪うんだよ……急に現れて勝手に横取りすんなよっ!あんたさえ、転校してこなければっ……」


< 121 / 200 >

この作品をシェア

pagetop