甘く苦い、毒牙に蝕まれて
けじめと新たな生活
その日の夜、部屋の本棚に入れていたアルバムを全部出して、ひたすら写真を眺め続けた。
「うわー、懐かしい」
どの写真にも必ず隣にまひろちゃんがいる。
夏祭りの時の写真。
海水浴に行った時の写真。
雪遊びをした時の写真。
公園で遊んでる時に撮った写真。
眺めているだけで、その時の事が走馬灯のように頭に流れてくる。
何年経っても、彼女との思い出だけは色褪せない。
「もう、まひろちゃんとの写真は増えないんだろうな……」
アルバムを、全て段ボール箱の中に入れた。
写真盾に入れて机の上に飾っておいたものも一緒に。
ガムテープでしっかり段ボールに封をして、クローゼットの奥にしまった。